リーダーっていうけどお前は何区を走るつもりなんだ
こんにちは。
西尾です。
ますます混戦が予想される箱根駅伝。
いや~楽しみですね~~
ところで最近、「リーダー」について考えたことがあります。
「リーダー」
みんなを引っ張り、目標達成に導く人の名前ですね。
憧れる人も多いのではないでしょうか。
まあ、憧れるのは良い。
良いんだけど
で、何区を走るつもりなの?
え?
いやいやそうでしょ。
リーダーって言ったら
箱根駅伝のキャプテンを想像するでしょ。
え?しない?
はぁ~~~~~~~~~~
だからリーダーが務まらないんですよ。
だから憧れを「自分のなれる像」と勘違いして意味不明なことするんですよ。
せっかくなので、
について書いていこうかと思います。
箱根駅伝を目指すのは関東の大学の陸上部ですが、
当然そこには毎年キャプテンが存在します。
そのキャプテンはそれぞれ「優勝」や「シード権獲得」を目標に
チームを引っ張っていく役割を求められるのですが、
彼らの特徴は私生活だけでなく、
本番の区間でもかなりその役割やキャラクターの差が明確になります。
1.一区型キャプテン
レースの大事な流れを決める一区。
ここで有力校から差をつけられると目標達成は一気に厳しくなることから
この区間には絶対失敗できない区間として、重要なメンバーを置く学校が多いです。
責任感があり、背中で引っ張ってきたキャプテンにやって欲しいと
「口火を切って、チームの流れを安定させるリーダー」
として配置されます。
金森寛人(拓殖大-小森コーポレーション)
横手健(明治大-富士通)
大迫傑(早稲田大-NIKE ORPJT)
など、冷静な駆け引きとラストスパートの気力がある選手が
一区型キャプテンの特徴です。
2.二区型キャプテン
花の二区。
言わずと知れたエース区間で、
「エース兼リーダー」
であるのがこの区間のキャプテンです。
この区間の場合は、キャプテンとしてというよりは
元々エースとしてチームから信頼を置かれているからキャプテンになる
という逆説的にキャプテンになることが多いので、
エースとしての強さを求められます。
その多くは箱根を4年間走り、エースとして、キャプテンとして
チームを担い続けた力強さをその背中に見ることが出来ます。
3.三区型キャプテン
スピードエースが多く出場するこの区間のキャプテンは
「キャプテンには一番気持ちよく得意な区間で」
とチームに後押しされて走る場合か
「この区間で一気に差をつける決め手として」
とエースをあえてここで使う場合の2パターンが多いです。
自分が勝負を決めるんだという強い決意と
自分の武器でチームに貢献するという鋭さ
を持ったキャプテンが多く配置されます。
藤本拓(国士館大-トヨタ自動車)
佐藤佑輔(日本大-富士通)
個人レースでも結果を残してきた選手が多いので、
一人の選手としての意地やプライドが強いのも
この区間のキャプテンの特徴です。
4.四区型キャプテン
往路の難コース四区。
五区の区間距離変更の影響を受け、短くなったり長くなったりと
特徴もその時代ごとに変化するのですが、
「奇策としてのキャプテン」
がこの区間のキャプテンの配置の仕方です。
細かいアップダウンも多く、
失速の恐れもあるため、近年では
「安定感のあるリーダー」
をここに配置することも増えています。
西村知修(帝京大-ヤクルト)
宇田朋史(拓殖大-競技引退)
セルナルド祐慈(創価大-競技引退)
5.五区型キャプテン
個人的にこの区間のキャプテンは
「責任感と強さと覚悟を持ったリーダー」
チームのために自ら志願して、
箱根最大の難コースを乗り越え、
チームの目標達成のために導くという
まさに「チームのためのリーダー」
柏原さんや神野くんのような「山の神」は
どちらかというと二区型キャプテンの方が近いので
やや例外ですが。。。
実際この区間はキャプテンが走ることがかなり多い印象です。
駒野亮太(早稲田大-競技引退)
服部翔大(日体大-Honda)
大石港与(中央大-トヨタ自動車)
責任感、粘り、根性、覚悟、強さ。
献身的なチームへの愛が強いキャプテンが多いのも特徴でしょう。
6.六区型キャプテン
あまり多くは無いのですが、
「本番はしっかり自分の一番得意な武器で貢献」
とキャプテン業と区間での走りは別物とする人が多い印象です。
秘密兵器型の人が多く、キャプテンがあえて走る
というケースは極めて稀です。
代田修平(中央大-カネボウ)
田子祐輝(法政大-競技引退)
7.七区型キャプテン
10人選手をそろえることが難しいようなチームは
この区間に走力の低い選手を配置する一方で
有力校は最後の一手としてエース級を配置して
とどめを刺しにくる区間です。
キャプテンが使われることは少なく、
傾向としてはシード権獲得を目指すようなチームが
「守り抜くためのキャプテン」を配置する傾向にあるようです。
川村駿吾(青学大-プレス工業)
8.八区型キャプテン
いぶし銀光る区間。
キャプテン候補がこの区間を経て五区に挑戦する
というケースをよく見ることが出来ます。
4年生で走る場合はどちらかというと副キャプテンが多く、
キャプテンで走っているのは順天堂の難波祐樹さん
が強烈な印象を残した以外は少ないかもしれません。
難波さんは当時優勝候補であった順天堂のキャプテンとして
チームをまとめ、襷を貰う時点では二位と3分近い差で出走する
まさにあとは一位のまま運びキャプテンの仕事を終えるのみでした。
しかし、脱水症状を起こして大失速。区間最下位で意識の無いまま襷を渡します。
レース後運ばれるときも朦朧とした状態で「襷は、襷は」と言い続け、
当時次のキャプテンが決まっていた元祖山の神・今井選手が涙を流しながら
「難波さん!繋がりました!襷は繋がりましたよ!」っと手を握るシーンは
正月のお茶の間に涙を呼びました。
翌年、キャプテンとなった今井選手は山の神として区間新記録。
チームは総合優勝を果たし、難波選手が繋いだ襷は一年越しにトップで
ゴールテープを切ることになったのでした。
9.九区型キャプテン
個人的にキャプテンのイメージがこの区間にもあったのですが、
印象的なキャプテンが多いだけで、数自体はそこまで多くないみたいです。
復路のエースが起用されるこの区間では
「オールラウンダーなキャプテン」
が起用されることが多く、
様々な場面に対応して力を使える
安定感と賢さと勇気のあるリーダーが
この区間に配置されています。
伊東一行(城西大-JR東日本)
それぞれシーンは違いますが、
この区間のキャプテンもまた、
チームを背負った走りが印象的ですね。
10.十区型キャプテン
五区同様やはり締めの区間はキャプテンが多いようです。
「やはり最後はこの人にゴールテープを」
と各監督やチームメイトが花道としてキャプテンに
走ってもらうというケースが多く。
「チームを支えた功労者に」
と走力ではメンバー争いから厳しくても、
キャプテンの底力に期待して配置するケースや、
他の区間を走れる選手でも、ゴールテープを切らせるために
ここに配置させることもあります。
この区間で最終順位が決まるので、
「皆の想いを運ぶ」
という意識の強いリーダーがこの区間を任されるため、
人望も厚い人が多い印象です。
鎧坂哲哉(明治大-旭化成)
中島賢士(早稲田大-九電工)
安藤悠哉(青学大-競技引退)
他にも、サポートに回ったキャプテンたちも多くおり、
選手として表舞台に立てなくても、チームを支え
優勝に導いたキャプテンも少なくありません。
長くなりました。
これ、ふざけているようで結構真剣な記事です。
そのチームにおいて自分がどんな役割でチームを導くのか。
なぜ、自分がリーダーをやる意味があるのか。
そこを考えなければはっきり言って迷惑にすらなります。
特に、寝坊、遅刻、だらしない、思ったことを言えないなど
私生活の面で前に立てない人は何が起きてもリーダーをすべきではないです。
もはやそれは自己承認のためにチームを使う悪行と言っても過言ではないでしょう。
大前提をこなし、
そのうえで自分を上手く活用したリーダーとして、いちメンバーとして
パフォーマンスを発揮することがチームを目標達成に導くでしょう。
今年の箱根も各チームにキャプテンがいます。
彼らがどのような姿で新年の舞台に立つのか今から楽しみですね。
それでは。